散歩
最近、結構ハマってることは、ipodを聞きながら散歩すること。
もちろん健康にいいですし、色々と考え事が出来ます。
歩いてると、不思議な事にも遭遇します。
ボクが普通に就職してた頃の同僚に道ばたで10年ぶりに再会…なんてこともありました。
さらに…
昔、番組にゲストで来てもらって、
ボクが楽屋打ち合わせの担当をした某女優さんがベビーカーを押しながら歩いてて、
「これって、会釈した方がいいのかなぁ?!
でも、きっと向こうは忘れてるに違いないし…
下手に会釈なんかして気持ち悪いヤツだと思われてもなぁ…
でも、向こうが覚えてた場合、挨拶しないのも感じ悪いしぁ…嗚呼ぁ…」
と悩んだ挙げ句、結局チラッと先方の様子を伺ったら、
こちらには視線も向けなかったのでシカト…なんてこともありました。
で今日。
→有田歩いていると、“変な男”寄って来る
変な男:スミマセーン!
→有田ipodを外し、足を止める
ボク:はい。
変な男:10分間で1万円の仕事ありますけど…やりません?
ボク:は?
変な男:全然、怪しくないです。
ボク:(心の声:いや、十分怪しいよね…)
はぁ…10分間で1万円です…か。
変な男:そうなんです。
あるビルにカバンを忘れて来たんです。
それを取って来てもらいたいんです。
ちょっと訳有りで、ボクが取りに行く事が出来ないんです。
ボク:(心の声:カバン?!ますます怪しいじゃんっ!)
カバンすか。えっ?!ちなみに…中身は何が?
一応、聞いとかないと…ねぇ。。。
変な男:いや、あのクスリとかじゃないですし、全然怪しくないです!
ボク:(心の声:だから怪しいって…)
はい。
で、でも…い、一応、ねぇ…。
変な男:実は…
ボク、あるダンススタジオに通ってて。
自分のダンスを練習用にいつも撮影してるんですよ。
そしたら今日、そのダンススタジオに、
○○○○(某有名アイドルの名前)が、“たまたま”やって来ちゃって。
ボク:○○○○が?!
変な男:そうなんですよ。もう、たまたま。
で、ボクが撮影してたら、
「お前、盗撮してるだろ!!!」
って、マネージャーみたいな人に言われちゃって。
ボク怖くなってカバン置いて逃げて来ちゃったんですよねぇ。。。
ボク:ああああ、なるほどね。
それは出来ません。
→有田、ipodを耳に取り付け、再び歩き出す…
ボクは後悔しました。
それは出来ません!の一言で、その場を去ったことを。
ボクがその時、取るべきだった行動は、
社会に生きる人間として、ネタが命の作家として、業界に生きる人として、
一体、何が正解だったのか?!
◎ソイツを警察に突き出し…事件を解決へと導く
◎ソイツを警察に突き出し…○○○○の事務所に感謝してもらい、謝礼を頂く
あわよくば「実は作家なんて事やってまして…」とか言って、仕事ももらう
◎ソイツに「こんな危ないヤマ、1万円は安過ぎるぜ!」
と言って、ギャラアップを要求する
◎とりあえずカバンを取りに行き、カメラだけは現場に捨てて出て来る
で、帰ってきた時に
「お前との契約は、カバンを取って来ること…だったハズだ。
カメラの入ったカバンとは言われてないぜ?!」
と、カッコ良くいい放ち、約束通りギャラはもらって立ち去る
◎そのビデオの中身に写った映像をダビングしてもらう
◎もしかしたらソイツは…
あらぬ疑いを掛けられ、本当に困ってるのかも知れない
だから「そんなに困ってるのなら、金などいらない!」
とカバンを取って来てあげる
それは出来ません!の一言で、その場を立ち去った事は、
数ある選択肢の中で、最も選んじゃいけない、愚のチョイスだった気がします。
結局、無かったことにした訳です。
そのアイドルも、社会も、ソイツも、ボク自身も、
誰も救われないチョイスが、
それは出来ません!の一言で、その場を立ち去る…という事。
正義感溢れる人間でもなく、
面白さを追求する作家でもなく、
そういう輩からアイドルを守る業界人でもない。
なんでか、ヘコむ。