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有田真平のブログ

アーティスト芸

shinpeiloser2005-12-29

あるチャンネルで某HIP HOPアーティストのLIVEを放送していた。


ボクは何を隠そう無類のHIP HOP好き。


大概の方が嫌悪感を示す。。。
必要以上のダボダボファッションで…
必要以上に身振り手振りを駆使して…
悪そなヤツらは大体友達にいそうで…
「YO!」的なノリにも、ボクは苦々しく思いつつも理解を持っている。


まあ何よりボクが好きなのは彼等の「日本語芸」「韻マジック」なんだが。


トラックに合わせて、いかに上手く韻を踏み、
かつ、より良いメッセージを乗せるか。。。


そのルールの中で各自がオリジナリティを競い合う。。。


素晴らしい歌、一杯あります。
同じ日本語を操るクリエイターとして、スゲーッ!!!って思う歌一杯あります。


今日のLIVE。
あえて名前は言いませんが、そのアーティストは。。。
どっちかというと。。。
どう見ても悪そうなファッションをしてる、ヤンチャ組代表。
だけど。。。
唄う歌は、若いヤツらをあったかく包み込むアニキ的な感じ。のパターン。


   『オメーラ!オレらも昔はヤンチャしてたよ!』
   『だけど、今じゃHIP HOPってマジでやりてぇこと見つけてさ。。。』
   『天下穫るために汗水垂らしてさ。』
   『スッゲー大変だけど、充実してるぜ!』
   『だからオメーラも自分の好きな事見つけて!』
   『一回限りの人生なんだから』
   『大人がナント言おうと自分らしく生きろ!』
                 みたいなメッセージをHIP HOPで表現してる感じ。
                 まあカッコイイですよね。


で、今日のLIVE見てたんですが。。。
最前列に来てる何百人はどう見ても、いわゆるミーハー軍団。
アイドルや、お笑い芸人や、ビジュアル系に『極度に』ハマる人々っていますよね?
まさしくそのパターンの人々なんですよ。


リズムに合わせて両手を前にエイッエイッて。
あの例の“お約束ムーブ”をやってんですよ。
HIP HOPのLIVEで。


アーティスト or 商売。。。ジレンマ。。。


オレがそのアーティストだったら、
その最前列にいる連中にこう言います。


「お前ら帰れ!」
「オレらのLIVEに来て、キャーッキャーッ言ってるヒマあったら、
 もっとやることあるだろう!」
「ステージの上にいる人間に対して、無条件に必要以上の崇拝をするのではなく、
 自分がステージの上に上がる人間になる!ぐらいの気持ちで生きんかい!!!!!」と。。。


プロとして。。。
お金を貰ってるエンターテイナーとしてはそれを言えないでしょうね。


だけどさ!
そのアーティストが支持を受けてるのは、きっと若者に直に響くそのメッセージ性でしょ?!
HIP HOPでいうところの、“リアル”な存在ってヤツなんでしょ?!


全っ然、届いてないじゃない。


久々に寒いものみました。
そのアーティストがステージで、
「テメーラ、もっと声でんだろ!」とか、
「声出してねえヤツ、殺すぞ!」とか、むやみに悪そうな感じのスタイルでやってるだけに。
でも、前にいる連中は、どう見ても例のファン達なのよ。


消費者は悪くない。
そのアーティストがバカなのだと思う。


だからHIP HOPは誤解される。
あなた達は強引にアーティストを語る前に
『トラックに乗せて韻を踏む芸』をやる“芸人”だということを忘れて欲しくない。
お金もらって、“アーティスト芸”をやる芸人。
そりゃアーティストって言われりゃ、格好良く聞こえますものね!!


目の前のミーハー達を拒否しないってことは、
あなた達、金儲けしたいんでしょ?!
あなた達がやりたい“アート”よりも金儲けってことでしょ?!
若者に向けるメッセージはただの道具で、要は金なんだよね?
だったら、“リアル”ぶるのやめて!
妙な“悪さ加減”で、世間に嫌悪感を与えるから。


だから、RHYMESTER餓鬼レンジャーが大好きです。
自分たちが“芸人”だって自覚してる感じしますもの。
アーティストって響きに、無理酔いしてない感じしますもの。
何より曲がいいッスもの。